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大阪港及び神戸港の背後地域に流動する外貿コンテナの輸送に関しては、物流効率面や環境面などにおいてさまざまな問題を抱えている。それらの問題点がクローズアップされるきっかけになったのが平成7年1月の阪神・淡路大震災であった。大震災によって大阪港及び神戸港へのアクセス道路の多くが通行不能や通行制限となり、輸送の大部分を陸上トラック輸送に依存していた外貿コンテナ輸送の効率は大幅に低下し、関係者からは道路に加えてその代替となる新たなルートの整備を望む声が高まった。本調査研究が企画された理由のひとつに「災害対策としてのコンテナ輸送路確保の必要性」があるが、これ以外にも下図のようにコンテナ輸送に係る問題点は多く、コンテナ輸送の新しいルート(海上・河川ルート)の必要性は今後はさらに高まると考えられる。
これは、トラック偏重の国内輪送手段利用を内航海運や鉄道へ転換しようとするモーダルシフトの考え方とも一致するものである。

図6−1 外貿コンテナの国内輪送における問題点と海上・河川輸送の関係

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外貿コンテナ積載車両のような大型貨物車の走行に対して規制が強まり、将来において、輸送効率の低下とそれに伴う輸送コストの上昇が生じるのではないか、そのために今のうちに道路以外の輸送ルート開発の可能性を検討しておく必要があるのではないか、また、21世紀という時代に適合する新しい輸送方法も今のうちに検討しておく必要があるのではないか、と考えられる。そのためには、コストなど短期的な制約条件のみにとらわれず長期的な観点でコンテナ輸送の手段分担を考える必要があると思われる。

 

 

 

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